コンパニオンプランツのすすめ

植物

こんにちは、あまなつです。

植物好きの農学部卒サラリーマンです。
30㎡の畑で念願の家庭菜園を満喫中です。

家庭菜園といえば、面積が小さいからこそ、手間をかけて安心安全な有機栽培を楽しめるのも醍醐味ですよね。
「コンパニオンプランツ」は農薬や化学肥料に頼らない野菜づくりに役立つ栽培テクニック。
その組み合わせと効果をまとめました。

コンパニオンプランツとは

コンパニオンプランツ

相性のよい植物やその関係のこと。
異なる植物をそばに植えても、お互いの成長の邪魔をせず、双方またはどちらか一方がよく育ち畑のトータルの収量が増える。

コンパニオンプランツの効果

コンパニオンプランツの効果
  • 病気予防
  • 害虫忌避
  • 成長促進
  • 空間の有効活用

病気予防

  • ネギの仲間は根に共生する細菌が抗生物質を出して、ウリ科やナス科の土壌病害の原因になる菌を減らす。
  • うどんこ病にかかりやすいオオムギなどを利用して菌寄生菌を増やし、野菜に被害を与えるうどんこ病菌を抑える。

など。

害虫忌避

  • 特定の植物しか食べられない害虫の特性を利用し、異なる種類の野菜を混植することで害虫を撹乱する。
  • 栽培する野菜の近くに別の植物を育てて害虫の天敵を増やし、野菜の害虫を減らす。(バンカープランツ)

など。

成育促進

  • 異なる種類の植物の根が助け合って伸び、土壌の通気性、排水性を高める。
  • 根からの分泌物や根圏の微生物の働きにより養分の吸収力が高まる。
  • 混植が適度なストレスとなり成長が促進されたり、病害虫への抵抗力が高まる。
  • マメ科に共生する根粒菌により土壌の肥沃度が高まる。

など。

空間の有効活用

  • 上方向に伸びる野菜と地を這う野菜を混植することで、限られた空間で複数種の野菜を栽培できる。

など。

コンパニオンプランツの例

トマト

  • ラッカセイ
    根粒菌の働きで空気中の窒素を固定。
    表土を覆いマルチ代わりになる。
    空間を効率的に使える。

  • 香りが虫よけになる。
    バジルが適度に水分を吸収するためトマトが甘くなる。
  • ニラ
    香りが虫よけになる。
    根の共生菌がトマトの病原菌を減らす。

ナス

  • ショウガ
    ナスの日陰を有効活用。
    互いの害虫を忌避し合う。
    土壌中の病原菌が減る。
    肥料の過剰障害が出にくい(ナスは硝酸態窒素、ショウガはアンモニア態窒素を好むため)。
  • ダイコン
    ナスの株元のあいたスペースを有効利用。秋になると株元に日光がよく届く。
    ダイコンは肥料が少なくても育つので養分の競合が少ない。
  • パセリ
    ナスの日陰を有効活用。
    マルチ代わりになる。
    パセリの香りがナスの害虫を忌避。 
  • ニラ
    香りが虫よけになる。
    根の共生菌がトマトの病原菌を減らす。

カボチャ(他のウリ科に応用可能)

  • トウモロコシ
    ともに栽培には広い面積が必要。同じ畝で栽培することで空間を有効活用。
    カボチャがつるぼけしにくくなる
    カボチャがマルチ代わりになる
  • 長ネギ
    長ネギの根の共生菌によりカボチャの病気を防ぐ
    カボチャがつるぼけしにくくなる

トウモロコシ

  • マメ科
    マメ科の根粒菌で土壌が肥沃になりトウモロコシの成長がよくなる。
    互いの害虫(トウモロコシのアワノメイガ、マメ科のシロイチモジマダラメイガ・フキノメイガ)を忌避する。
    マメ科植物はトウモロコシの陰でもよく育つ。
  • サトイモ
    トウモロコシの日陰でサトイモがよく育つ。
    秋はサトイモの共生菌の働きでトウモロコシがよく育つ。

エダマメ

  • サニーレタス
    エダマメの害虫を忌避する。
    地表を覆って畝の保湿に役立つ。
  • ミント
    香りでカメムシやメイガを忌避する。

キャベツ(カブやコマツナなどのアブラナ科野菜にも応用可能)

  • サニーレタス
    互いにつくアブラムシを忌避。
    キャベツにつくモンシロチョウやコナガを忌避する。
  • ソラマメ
    キャベツがソラマメの寒風よけになる。
    ソラマメはアブラムシがつきやすい反面、テントウムシを呼び寄せキャベツのアブラムシの防除になる。
  • 葉ネギ
    互いの害虫を忌避する。
    養分の奪い合いが起こらず、かつ、肥料過多も防ぐ。

ホウレンソウ

  • 葉ネギ
    葉ネギの根につく微生物がホウレンソウの萎ちょう病を防ぐ。
    過剰な養分を吸収し、ホウレンソウのえぐみを抑える。

タマネギ

  • ソラマメ
    栽培期間が同じなので、同じ畝を使うことで空間を有効活用できる。
    タマネギの共生菌の抗生物質により、ソラマメの立枯病を防ぐ。
    ソラマメがタマネギの害虫を防ぐバンカープランツになる。
    ソラマメの根粒菌により土壌が肥沃になる。

ダイコン

  • マリーゴールド
    香りでモンシロチョウ、コナガ、ダイコンサルハムシなどを忌避する。
    根にネグサレセンチュウをひきつけ死滅させる。
  • ルッコラ
    ダイコンの株間、条間を活用できる。
    ルッコラが害虫を寄せ付けないため、ダイコンも保護される。

ニンジン

  • エダマメ
    エダマメにつくカメムシ、ニンジンにつくキアゲハの被害を抑える。
    ニンジンは肥料が少ない方がおいしくなることから、やせた土で栽培を始め、エダマメで徐々に土壌を肥沃にし、その養分でニンジンを育てる。
  • カブ、チンゲンサイ、ダイコン
    互いの害虫を忌避する。
    詰め込み栽培ができる(ニンジンの葉が細かいので妨げにならない)。
    地中の空気のとおりがよくなり、互いに根が伸びやすくなる。

サツマイモ

  • 赤ジソ
    サツマイモのつるぼけを防ぐ 赤色がサツマイモの害虫、アカビロードコガネを忌避する。

メジャーどころや取り入れやすいものをあげてみました。
他にもたくさんの組み合わせがあるので、調べてみると面白いです。

相性の悪い組み合わせに注意

注意したいのがコンパニオンプランツとは逆に、互いに成長を邪魔しあうまたは一方の野菜がもう一方の野菜の成長を抑える組み合わせです。

  • ジャガイモとキャベツ
  • トマトとキャベツ
    など


コンパニオンプランツを実践するときには、相性が悪い組み合わせではないか確認しましょう。

まとめ

面積の小さい家庭菜園でも混植をすることで空間を有効活用し、多品目の野菜づくりを楽しめます。
その組み合わせ次第で病害虫予防や生育促進という恩恵も受けられるのがコンパニオンプランツ。

減農薬・減化学肥料の野菜づくりに役立つテクニックです。
ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

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